2013年02月24日

グローバル戦略/リスクコミュニケーション

 今月の戦略研では鰍きんどスシロー経営企画部長の清水さんにお越しいただき、「グローバル戦略を見つめ直す〜ケースを通して戦略立案を学ぶ〜」とのタイトルで、企業のグローバル戦略について講義をしていただきました。

 清水さんは公認会計士で、大手監査法人にて監査を経験された後、ドリームインキュベータ社でコンサルティングをされていた方なので、これまで多数の企業を見られており、当日はそれらの経験をベースに、複数企業のグローバル戦略について具体的数値を使いながら説明をしていただきました。
 なお、有名企業の規模や海外比率等についてはある程度理解しているつもりでしたが、当日披露頂いたデータと当方の認識とは大分齟齬があった様で、改めて具体的数字で理解する癖をつける必要があると反省しました、、、

 その他当日の主な論点は、以下の通りです。
・「グローバル企業」と一言で言っても、成功理由や進出の理由は各社様々であり、類型化すると、@規模の経済を追求する、A(弱者が)ニッチセグメントとして狙う、B(ビジネスモデル上の)回収エンジン化する、C限られた資源(パートナー、権利)を先行獲得する、の4つに分かれる。
・上記@の代表企業がトヨタ自動車であり、世界規模で規模の経済を追求(ボリュームが見込めるエリアには適宜生産拠点を新設)することにより、18.5兆円もの売上を実現し、海外比率も69.5%に達している。一方、Bの代表企業がマクドナルドであり、事業をフォーマット化(ローカル商品の開発はローカル企業に許可)し、フランチャイズ展開をすることで「回収エンジン化」しており、売上こそはトヨタに及ばないものの、営業利益は0.7兆円と、トヨタの0.3兆円を上回り、営業利益率は32%(トヨタは2%)という高い収益性を維持している。
・他にBの「回収エンジン化」を狙えるのが日本のコンビニであり、各社海外進出を進めているが、セブンイレブンとファミリーマートと比較し、ローソンには出遅れ感がある。その理由として、進出の際に手を組んだ現地パートナーの実力差が考えられる。
等々。

 そして、上記講義の後は参加者でディスカッションを行いました。ユニクロとキッコーマンを題材に挙げ、複数のチームに分かれてそれらの企業のグローバル戦略についてディスカッションし、その内容を発表したわけですが、各チーム示唆に富んだ面白い発表内容でした。

 「グローバル戦略」と言うとつい、「どこにどの様な方法で進出するか?」を考えがちですが、海外の人に必要とされる物やサービスを提供し、それらの人々の生活向上に役立つのが理想であり、進出検討にあたっては、その価値を改めて考える必要があるように感じました。当たり前のことではありますが、自らの提供できるサービスと、受け取る相手方のニーズがマッチするところに可能性があり、それを地域別に分けて考え、場合により形を変えて提供するという事と思います。そしてその次に、独自で進出するのか?パートナーと組むのか?、現地に拠点を作るのか?拠点を移すならどのタイミングで移すのか?、将来どういう仕組を目指すのか?等々を考えていくのだと思います。
 上記類型の通り、進出の方法は様々ですので、他社の事例を参考にしながら、自社のポジションを十分理解した上での進出が必要と思います。また、方法を工夫するだけでなく、それを実行できる人材がいなくてはどうしようもできないので、企業は常に人材育成に取り組み、社員は自己の将来のために自己研鑽に励む事が求められていると感じます。日本国内のみで経済が回せればよいですが、どうもその様な環境では無い様なので、、、


 閑話休題、次に、今月開催した政治研・危機研(合同開催)ですが、今回はテキストマイニングの専門家であるLCCつくばリスクマネジメントの渡部さんにお越しいただき、「リスクコミュニケーションは何か?〜住民と行政、議会との合意形成〜」とのタイトルで講演をしていただきました。
 そもそもリスクコミュニケーションとは何?ということですが、様々な定義があるとは思いますが、当方は「ある特定のリスクについて関係者間で情報や意見を交換し、合意形成を図っていくプロセス」と理解しています。
 渡部さんのお話では、その実現のためには、@日頃からの地道な積み重ね、Aわかり易さ(理屈は後)、Bそれぞれの立場を思いやる、という事が必要とのことです。
 例えば東日本大震災時の福島原発を巡る政府の発表についてはそれらの点が欠けており、それが国民の不信を招いたという事です。

 政治研的に言えば、政治家はこれらの点を十分留意して有権者とのコミュニケーションを図る必要があり、そのためには普段使う言葉や手法にも注意する必要があるという事になると思います。
 例えば、相手がどう受け取るのかを考えて言葉を使っているのか?自分の主張を伝えたいだけになっていないか?相手に分かってもらえるような資料を使っているか?単に文字が羅列されただけのわかりづらい資料になっていないか?伝え方は正しいか?マス向けはある程度致し方ないとしても、一方通行になっていないか?等々、、、

 それから、渡部さんのお話では、現代は情報が多く、細分化された社会のため、対立を生みやすい構造になっているとのことです。だからこそ情報を正しく伝える人が必要であり、情報の伝達方法の工夫が必要な時代と思います。また、人間は合理的であるようで実は合理的ではない面が多々あり、人の気持ちや行動パターンから感じる「感覚」が必要との事でした。

 人が心地よいと思う言葉は決まっており、それをどう使うかによって相手方の取る印象は大きく変わるということでもあるので、まとめると、@人間の事をもっと良く知る、A相手に伝わりやすい言葉を分析する、B伝え方を工夫する、という3点が必要と認識しました。
posted by TK at 10:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ユニクロに関して、評論家の金美齢氏は次のように語っている。
「日本再生のためには、『メイド・イン・ジャパン』に回帰することです。中国製であるユニクロ製品を買うのは、日本人が自分の首を絞めているようなもの。ユニクロ会長兼社長の柳井氏は都内の広大な土地に大邸宅を建てていますが、日本の繊維産業をだめにした上にそれは成り立っているのです。彼は経営者として成功したと思いますが、日本の社会に害をなしたと私は思っています」
Posted by うなぎ at 2013年02月24日 14:18
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