2011年08月14日

人口減少時代の国家グランドデザイン

 先週末に立ち上がった政策マーケティング研究会(戦略研は運営を協力)にて前衆議院議員の越智隆雄さんの講演がありました。
 テーマは「人口減少時代の国家グランドデザイン」で、今後急激な人口減少を迎える日本において、どのような国家を目指して行けばよいのかについて話をして頂きました。

 話の流れとしては、1.人口減少の捉え方(人口減少の状況について数字をもとに認識をし、国家財政への影響についてもコメント)、2.維新後の日本政治(これまでの日本政治の変遷を整理、大正デモクラシー後の政治との共通点を説明)3.日本国家の特徴(経済規模、ソフトパワー等の日本の特徴について整理)、4.人口減少時代の国家経営・国民生活(人口減少を前提とした国家運営、首相公選型議員内閣制による政治的リーダーシップの構築、コミュニティの重視等について説明)といった感じでした。
 
 日本の人口は、現在の推計では、2100年には今の1/3ぐらいに減少するといわれています。それが経済に与えるマイナスインパクトは甚大で、また、そこに至るまでの構成として、高齢者比率が高まるため、社会保障負担率の増加にもつながります。目先の政策も重要ですが、長期的にも物事を考えていかないと、後手後手の対応となり、さらに問題を悪化させてしまう懸念があります。越智さんも、特にその点を懸念されているとのことでした。かねてから本ブログでも記載していますが、長期的な国家戦略を立て、それを個々の政策に落としていくべきと改めて感じました。
 日本の人口の推移を実際の数値で見てみると、その増減は顕著で、明治時代に3,000万人前後だったものが、大正・昭和・平成で一気に12,000万人前後まで増加し、その後100年で4,000万人〜5,000万人に減少する見込みとなっています。その様な急激な人口の増減に政策を合わせていくことは至難の業だと思います。人口が減れば経済力は低下し、公共事業に使えるお金も限られてきます。現実問題として、過疎地等の人口が少なく生活コストのかかるエリアへの予算の配分は難しくなり、地方でも都心部を中心に配分し、人々にはその周辺に住んでもらうということが必要になってくるかもしれません。
 また、人口問題の前に深刻なのが、財政問題です。日本には1,400兆円個人資産があるといわれていますが、一方で約300兆円の負債もあると言われるため、ネットすると1,100兆円となります。現在の国の借金が約900兆円とのことなので、増加傾向にあることを考えると、この2〜3年が大事となります。もし道筋を示せないとなると、日銀による国債買い取りをさらに検討しなければならかったり、インフレや金利上昇、円安が進むのではと個人的には懸念します。また厳しいことにS&Pによる米国国債の格下げや、欧州経済の停滞を見ていると、世界規模で財政・経済問題が噴出しており、諸外国に頼った回復は見込めない状況となっています。越智さんの話を伺い、改めて上記問題の深刻さを感じた次第です。

 その他に印象的だった話が、「首相公選制」の話です。ここ数年の日本の政治を見ていると、リーダーの資質が不十分であったため、任期途中で辞任をするケースが多く、腰を据えた思い切った政策が実行されてきませんでした。米国の様にとまでは言いませんが、日本も数か月かけて首相の実力を問う選挙キャンペーンを実施し、様々な批判や質問に耐えられる理想的なリーダーを選出すべきと思います。この辺は以前政治研で講演をしていただいた、黒澤善行さんの「できる総理大臣の作り方」でも述べられていた通りと思います。

 と、言うわけで、今回改めて感じたのは現状と将来を意識した経済運営や各種政策は極めて大事であり、その主導権を持つ政治の責任が重いということです。政治がしっかりとしていれば、将来不安が軽減され、経済活動もそれなりに活発となると思いますが、今のような状況では、更に不安が増し、経済を冷え込ませている状況です。一方、ビジネスパーソンは自分のビジネスさえ良ければと考えていても、政治がダメだと結局自分に振り返ってくると思います。従って、ビジネスパーソンも政治に関心を持ち、有機的に連携していかなくてはならないと改めて感じました。


ラベル:政治
posted by TK at 02:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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