2009年07月20日

次回戦略研案内&農地法改正

 次回戦略研の案内を致します。
 次回は7/25(土)を予定しており、テーマは「食のグローバル化を考える 〜食の安全性と、食料自給率〜」です。
 講師に東京農大の應和先生をお呼びしています。詳細&申込はこちら→(http://www.sp-senryaku.org/meeting.html)。
 應和先生は日本農業の国際競争力低下に懸念を持たれており、その主な要因が1970年代の変動相場制への移行と急激な円高にあると主張されています。つまり、わずか20年ほどで1ドル360円から100円の水準になり、工業製品とは異なる性質の農業がそのスピード(20年で価格を3分の1以下に引き下げる)についていけなかったということです。これは、自由貿易の発達ないしはグローバリゼーションの進行により起きたもので、同氏はご自身が編著された『食と環境』(東京農大出版会)の中で、グローバル経済からの転換を主張されています。グローバル経済の名のもとに多大なエネルギーが物流に使われたり、過剰な生産で環境に負荷をかけたりと、環境破壊につながるケースが多いからです。例えばミネラルウォーターの輸入とか割り箸の輸入とか。
 最近よく話が出ますが、確かに人はその願望や生活向上のために地球環境を犠牲にしているように思います。自分自身グローバリゼーションは所与のものとして考えていた節がありますが、人類の継続的成長、というより安定?、を目指すためには、何か新しい形を作っていかなくてはならないのではと思ったりします。ちなみに應和教授の書籍では、上記批判に対する自由貿易主義擁護者の見解を以下のように記載しています。
1.自由貿易は貿易を拡大する。

2.貿易拡大を通じて各国は経済発展する。

3.環境保全のために資金を拠出することができるようになる。

4.したがって、自由貿易は環境保全につながる(「自由貿易は環境保全と両立する」)

 果たしてそれは事実でしょうか?

 ところで、農業をめぐる最近のトピックということでは、今年6月に改正農地法が成立しました。そのポイントとしては、以下4点が挙げられています。
 @目的規定の改正及び責務規定の新設:これまで『所有』に着目していた制度を『利用』にシフト
 A農地の権利移動規制の見直し:農業に参入できる法人等の範囲の拡大を目指す
 B農地の転用規制の見直し:違反転用に関する行政代執行制度の創設と罰則の引上げ等の実施
 C遊休農地対策の充実:農業委員会による年一回の農地の利用状況に関する調査と所有者への指導、所有者が判明しない遊休農地の利用を図る措置等の実施
 以前勉強会をして頂いた農水省の方曰く、中でも@の所有から利用へのシフトが画期的なことのようです。
 法人の参入という意味では、この改正で企業による参入規制がより緩和され、これまで10%だった農業生産法人への出資比率が50%未満に引き上げられたり、企業が借用可能な農地の拡大や借用期間の拡大(20年から50年へ)が実施されました。これにより、これまで参入が制限されてきた農業に、より多くの人や法人が関与することが予想され、新しいノウハウや産業の活性化が期待されますが、一方で企業の農業参入にはその責任(企業は利益が出ないと撤退してしまう?今はそもそも高齢化による農家の撤退がかなり進んでいるとは思いますが、、、)等を巡って根強い反対意見があるのも事実のようです。
 今回の改正は全面的に規制緩和というわけではなく、あくまで部分的にということではありますが、方向性としては大きな一歩を踏み出したということなのでしょう。日本は食糧自給率が低く、安全保障の問題からも国内農業を強化していかなくてはならない状況だと思うので、法人の農業参入に関するメリット・デメリットをわきまえつつも、農業強化の実現に適した政策が行われることを期待します。


ラベル:農業
posted by TK at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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