2014年08月16日

政治・選挙でのネット活用

 今月の政治研は、政治ポータルサイト「政治山」を運営されている潟pイプドビッツの市ノ澤さんにお越し頂き、「政治・選挙でのネット活用」とのタイトルでお話をしていただきました。

 普段あまり聞けない、その道のプロならではの情報が多く、大変参考になりました。

 まず、「政治山」ですが、過去に本ブログでも紹介したかもしれませんが、政治に関するWebプラットフォームであり、政治関連の情報が豊富にわかり易くまとめられています。特に選挙の時には、有権者が自分の選挙区の候補者やその属性を簡単にチェックする事ができ、利便性が高いです。(他に、選挙結果や各種リサーチ結果、政党、各議会へのアクセス等も可能で、非常に整理されています。)
http://seijiyama.jp/

 そのようなサイトを運営されている方に、普段の取組内容や、ネット選挙をめぐる最近の動向について直接お話を聞けたのは大変ありがたかったです。

 箇条書きとなりますが、当日の当方の気づきとしては以下となります。

・選挙時のメールやSNSを使った投票依頼については、現状はケース別に可否が細かく決められており非常にわかりづらいため、現在総務省が見直し中

・ネット選挙導入により、これまで「感性」で候補者を選んでいた世界が、今後はより「データ」重視に移行される

・前回の国政選挙では、有名人によるツイート等で公示日にWebのヒットが急増した候補者がいたが、その後アクセスが減り落選。一方、徐々にヒット数が増加し、投票日間近になって急増した候補者は当選した。(空中戦のみでは難しい?)

・同選挙では、選挙公示前は40%ぐらいの人がネットに期待をしていたが、実際に投票の際にネットを活用したという人は10%ぐらいに留まった。→政治家の出す情報と有権者の求めている情報にミスマッチがあるのでは?

・都知事選での家入氏の取組は、少なくともネットの活用という観点では面白いものであった。(政策の募集・オープンデータの取組・ポスター掲示板のデータ化等)

・選挙はこれまでは「雰囲気」だった。最近はどの年代のどういった人が何に興味を持っているのかの情報収集が可能となってきており、また、どの媒体がどの様に効果的かという事も明らかになってきている。(推薦ハガキの効果は実は薄かった???)

・セキュリティは重要であり、技術面ではある程度確保されているが、実は人為的な行為等による運用面の問題が多い。

・低投票率の問題を解決するにはネット選挙のみでなく、ネット投票(自宅等でPCで投票)の導入が必要か!?

以上です。

 最近、地方議員の資質が問題となっていますが、有権者である我々のチェック体制や投票行動に問題があるとも言え、せっかくネットという安価で大量の情報をわかり易く届けるツールがあるのですから、これを活用しない手は無いと思います。
 実際、徐々にではありますが活用の事例は増えてきており、我々がそういった情報を積極的に取りに行くことで政治家の質が上がり、より良い社会の実現が可能になるのではとシンプルに考えています。
タグ:政治
posted by TK at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月06日

撤退の農村計画

 今月の戦略研は「撤退の農村計画」(学芸出版社)という衝撃的なタイトルの本を執筆され、人口減少に伴う過疎エリアの実態や今後(集団移転等)について研究をされている東大特任助教の林さんとNPO法人国土利用再編研究所の齋藤さんにお話をしていただきました。

 お二人は元々は地域活性をテーマに研究をされていた様ですが、人口減少によって厳しい状況となっている地方をたくさん見られたことで、地域活性すべきエリアと、そうでなく、一旦撤退(集落移転)を検討すべきエリアがあるのではと考える様になり、この分野の研究を進めることにしたそうです。

 確かに、今後日本の人口が凄いスピードで減少していくことは事実であり、これまで通りの行政サービスを全てのエリアに提供するというのは実質的に困難であり、本問題は各個人や集落にまかせっきりにするのではなく、国や県・市レベルで積極的に取り組んでいかなければならない問題と認識しました。

 当日のお二人のお話で印象的だったのは、「集落移転については日本は既にある程度実績を持っており、やり方のノウハウはある。ただし、その事実や効果についてあまり知られておらず、実際にやろうとする動きはあまり多くない」という点です。具体的には、1970年代に自治体の危機意識から集落移転が積極的に行われたことがあり、その時のノウハウが集積されている様ですが、1980年代に入ると国の方針変更の影響により「補助金に頼る地方」という構図が定着し、集落移転の動きも停滞したという事の様です。

 つまり、現在の問題を深刻化させているのは人為的な政策によるものであり、現時点においてもこの問題に正面から取り組んでいる政治家というのはあまり見当たらず、ある種ほったらかしになっているのが現状という事です。

 人口減少になることは統計的に明らかとなっていたのにもかかわらず、明確な政策や方針は示されず、気付いたら一部エリアは高齢者のみの過疎エリアとなってしまっているというのが現状であり、「どこに住もうと個人の自由であり、国がそれを保障する必要がある」ということが原則かもしれませんが、現実問題、財政問題等を考えると全てのエリアに同様に公共サービスを提供することは困難なため、何等かリーダー(政治家等)が明確な指針を示し、住民の納得のもとに集落移転を進めていく必要があるのではと思います。勿論どこを残してどこを移転させるのかという判断は非常に難しく、簡単な事ではないですが、、、

 今回発表頂いたお二人の様な方がいらっしゃる様に、本分野についての知識・ノウハウはある程度溜まっているので、今後はリーダーがそれをどう生かして政策の実現につなげていくのかという点が大切と理解しました。
タグ:行政 政治
posted by TK at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする