2014年04月21日

いけてる八百屋さん

 今月の農業研は八百屋さんのお話でした。
 と言っても、いわゆる昔ながらの八百屋さんとはちょっと異なり、若者が起業して始めた、おしゃれなおいしい旬の野菜を扱った八百屋さんの話となります。
 
 話を伺ったのは、雪谷と三軒茶屋にてそれぞれ店舗を経営している2人の若手経営者で、お二人に共通する事項として、@農家からの産直がメイン、Aこだわりの野菜(味が決め手)、BITを使ったPR、C店舗がおしゃれ、の4点を感じました。

 かつての八百屋さんのイメージと言うと、野菜が雑然と積まれ、威勢のいい店主が大声を張り上げて集客し、店の真ん中にある小銭の入った籠を使ってお釣りのやり取りをしていたイメージですが、お二人のお店の写真を見る限り、そういった雰囲気は無く、野菜がおしゃれに綺麗に並べられており、ポイントカードやSNSの活用等、いまどきの仕組みも取り入れている様です。また、農家からの産直中心ということで、朝早くに市場へ行く必要もなく、そのお蔭でこだわりのおいしい野菜を安く仕入れられるだけでなく、お店のオープンの時間を遅らせ(昼ごろにし)、仕事帰りのお客さんが買える様に、夜9時頃までお店を開けているとのことです。
 とはいえ、農産物の天候リスクや在庫リスクがあるため、決して大きく儲かる商売ではなく、撤退を決断する人も多い業界の様です。

 八百屋はどうしても商圏が狭いですから、いかに地元にファンを作り、安定的に買ってもらう仕組をつくるかという点がポイントと思いますが、そのためには良い商品と、そのお店ならではの(そのお店で買いたいと思わせる)仕掛けが必要であり、日々のお客さんとのコミュニケーションが大変重要と感じました。ディズニーランドの様な非日常とまでは言いませんが(むしろ毎日のように行くのでまさしく日常ですが)、そこに行ったら幸せな気分になり、気持ちよく買い物ができ、また、おいしい食材を使って豊かな食生活を送れるための手助けとなるような店舗だと良いのではと思います。

 最近スーパーの世界でもM&Aが増え、大きい者がさらに大きくなり、効率重視の傾向にあると思いますが、それにより失われる部分もあり、今後はそういった大型スーパーと、今回話を伺ったような「こだわり小型八百屋」の様な業態の2極化が進むのではと思います。ビジネス成功の要諦と思いますが、「いかに差別化し、顧客に価値を提供できるか」という点を実行している現場の方の声を聞くことが出来、大変参考になりました。

ラベル:農業 経営
posted by TK at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月12日

ビックデータ

 今月の戦略研は東京大学大学院情報理工学系研究科准教授、兼キャノングローバル戦略研究所主任研究員でいらっしゃる大西さんにお越し頂き、最近何かと耳にする「ビックデータ」につき、お話頂きました。

 ビックデータとは、明確な基準はないものの、これまで処理できなかった、もしくは処理に時間がかかっていた大量なデータそのものの事で、ある現象のメカニズムを理解する為に使われることが多く、コンピューターの演算能力向上により、その分析がある程度短時間で可能となったため、最近注目されている分野となります。ただ、当日の話を聞いて当方が理解したのは、データの入手は意外に難しく、そもそも過去のデータは消去されているケース等もあるため、幅広い活用のためにはもう少し時間がかかるのかなと思いました。

 とは言え、金融市場や不動産市場等の既存のデータ分析により、過去には推測でしかなかった事項が証明されることになったりして、実社会の現象を理解するのに既に役立っている様です。また、過去の研究結果により常識と考えられていたことが実データの分析によって覆されることもあり得、かつての学者泣かせとなるかもしれません。

 面白いのは、仮説を検証しにいくと、どうしてもそれに都合の良いデータを集めてしまうことになるため、ビックデータ分析の場合は、極力仮説を立てずに、データから物事を読み取るようにしているという点です。

 現代は情報が溢れている社会と言いますが、それを十分に活用できているとは言い難く、ネットやPCの持つ特徴であるスピードとデータ量をうまく活用し、タイムリーに社会の問題点を把握し、その解決に当れる様な使い方ができると良いのではと思いました。そのためには分析手法を進化させる必要があり、当日のスピーカーである大西さんが実施されている様な研究がますます必要になってくると感じた次第です。
posted by TK at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする