2014年02月10日

3Dプリンターの未来


 今年最初の戦略研は2/6(土)に「3Dプリンター市場の現状と今後の展開」とのタイトルで外資系戦略コンサルタントの戸川さんに話をしていただきました。
 そう、都内は記録的大雪の中、決行したのです、、、

 3Dプリンターについては、最近よくテレビで、「安価になったことで個人が製造業を始められる時代になった」とか、「心臓疾患を持つ患者の人工の心臓を作って医者が事前に練習ができるため、手術の成功度が上がった」という事例か報道されており、大変興味を持っていました。
 戸川さんの発表は、そういった事例のみでなく、3Dプレイヤーを製造するプレーヤー、市場規模予想、留意点等含め幅広く情報提供して頂いたため、大変参考になりました。

 当方理解としては、3Dプリンターが世の中に与えるインパクトは特に「効率化」と「選択肢」という2つの言葉に集約されるのではと思います。
 つまり、通常、選択肢を増やすと非効率となるわけですが、3Dプリンターにより、これまで金型を製造して試作品を作り上げるまで数週間かかっていた試作期間が1~2日で済むことになるため、大幅な効率化を実現でき、また、安価になれば個人がそこに参入できるため、参加者が増え、選択肢が広がるという事につながるという点です。
 人間の欲求を考えてみても、経済発展段階においては、世界的に有名なブランド品を持ちたがる傾向にあると思いますが、ある程度成熟し、多くの人がブランド品を持ち始めると、今度は自分らしいオリジナリティあふれる商品を持ちたくなる様になると思います。
 それを埋めてくれるのが3Dプリンターという事なのではないかと。

 戸川さんの発表でも紹介がありましたが、クリス・アンダーソン氏は著書「MAKERS」(NHK出版、関美和訳)にて、こういった消費者が欲しいものを生産できる市場を「1万個市場」と呼んでいます。つまり、1万個あれば採算に乗せることができ、一方で大量生産の市場とは一線を画し、ニッチを維持できる市場という事です。

 ただ、3Dプリンターの問題として、多くの物がデジタル化され、コピーが容易にできるようになるため、肖像権の問題があるそうです。例えば、以前中国にて偽ディズニーランドとかドラえもんの被り物とかが問題になりましたが、3Dプリンターにて本物と同様の物が簡単に作れてしまうという事になるのでしょう。まあ、あれは真似はしていないという事なので、そのままかもしれませんが(笑)。
 また、情報がリークした場合、銃などの武器の製造も容易になるため、倫理上の問題もありそうです。個人が銃を作れる様な社会になってしまったら、恐ろしいことです。

 テクノロジーを自ら進化させつつ、それに翻弄される人間という構図が見え隠れしますが、それを解決するのもテクノロジーであり、人間なのではと思いますし、そもそもこういった新しい事を考える事自体が人間が得意とするところなので、必然なのでしょう。
 個人個人としては、社会の流れをウォッチし、乗り遅れない様にするか、乗り遅れても気にしない生活をするか、もしくはそのテクノロジーの先端を行くか、という事になると思いますが、それも選択肢の多い時代の個人の選択という事なのだと思います。

 と、言うわけで、少し論点がずれましたが、当日の当方理解をまとめると以下の通りとなります。

3Dプリンターでできること
・型を使わずに、デジタルデータから直接立体を成形できる。(技術の進化により、様々な色、素材、形の製造が可能になり、将来的には食べ物も作ることができるかもしれない。 また、コンパクトなため、一家に一台置くことが可能)

3Dプリンターのプレーヤー
・プリンターの製造メーカーは米国のSTRATASIS社,3D SYSTEMS社辺りがほぼ独占。
・最近3Dプリンター急に普及し始めたのは、これらの会社の持つ技術の一つが特許切れとなったことによる。

3Dプリンターの市場規模
・2020年までに50億ドル(デジタル一眼レフの市場と同等)〜100億ドル(タブレット・デジカメ市場の約半分)と言われている。

モノづくりへの影響
・これまでは製品を作るまでの工程に価値があり、当然にそれは社内の機密事項であったたが、米国では自社の技術やデザインを公表し、消費者や外部の人に改善をしてもらうというオープンイノベーション的な取り組みがスタートしている。

3Dプリンターの留意点
・銃の部品とその製造方法が流出してしまう危険性や、人気漫画のフィギュア等のコピーが容易になり肖像権の侵害が頻繁に起こる可能性がある点等、課題あり。

以上です。

 3Dプリンターにより世界はますますフラット化し、途上国は先進国との距離を縮め、中小企業は大企業との距離を縮めていくのではと感じました。
ラベル:ビジネス
posted by TK at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする