2013年06月10日

防災、政策策定、医療・介護について

 大分時間が空いてしまいましたが、5月と6月の戦略研関連イベントにつき、以下の通り概要、感想を記載します。

5/15:危機研・政治研「首都直下地震から生き残るために必要な情報とメディアは何か?〜東日本大震災、阪神淡路大震災の発生後の24時間から学ぶ〜」

 表題の件につき、危機研理事長や地方議員、テキストマイニングの専門家から情報提供をしていただきました。
 まず、危機研理事長より過去の事例として阪神・淡路大震災の時、物理的に職員のトップが震災後迅速に移動出来なかったことにより指示機能が麻痺していたという事例を紹介頂き、普段から事態を想定し、具体的行動をシミュレーションしておく必要性を痛感しました。
 次に、行政が出来る事については限界があるという説明が地方議員からありました。確かに人員数や予算等、行政にも制限があり、何でも行政任せでは町の安全は守れないと思います。普段から住民間での情報共有や行政をサポートするNPO等の存在が必要であると感じました。なお、水や電気等のインフラは管理している局や会社が異なるため情報連携が不十分とのことで、そこは共同訓練を行う等で、普段から有事に備えてほしいと思います。
 最後に、ネットの世界から見た防災時の動きですが、東日本大震災の時は、各人が発信するというよりは、他者の発信をリツイートして、拡散させるという動きが多かった様です。その際にリツイートされるのは信用のおける情報であり、震災時は特にNHKの情報提供が早かったようです。色々な情報が錯そうすると人々は混乱し、ネットはそれを増幅させるリスクもあるかと思っていましたが、皆が良識の範囲内で行動することで、一定の信頼のおける情報が流れる仕組みとなっている様です。ただ、当時の反省として、英語の情報発信が少なかったため、海外諸国に誤解されるケースが頻発してしまったとのことです。

5/18:政治研「ニッポンの変え方教えます〜実践的な政策の作り方セミナー〜」

 政策工房の主任研究員の黒澤さんに、同社にて出版した「ニッポンの変え方教えます」(春秋社)をベースに日本の政策の作られ方につき、解説して頂きました。
 日本は政策策定過程における官僚の関与が強く、霞が関文学と呼ばれる独特な言い回しで法案や資料が作られたりするため、そういった知識を持ち合わせた政治家(官僚と対峙できる政治家)が必要であり、政治家のみに期待することが難しいのであれば、それをサポートする政策秘書や政策シンクタンクが必要と感じました。また、民間的感覚から言うと、今の官僚組織はモノポリーであり、それと一定の距離を持つべき政党や政治家が、情報源や政策策定プロセスにつき官僚に完全に依存している状況と思います。人材流動含め、官僚組織はもっとオープンになって良いと思いますし、政党や政治家側も情報ソースを複数持ち、官僚からの情報や意見の確からしさを検証する工夫が必要なのではと思います。

6/1:戦略研「医療・介護制度改革を実現するために〜当事者・納税者の視線で考える〜」

 東京財団の研究員兼政策プロデューサーの三原さんに表題の件につき講演をしていただきました。
 日本の医療・介護制度分野は複雑で良くわからないイメージがありましたが、やはりその通りで、例えば介護報酬のサービスコードは2万件を超え、制度が複雑すぎて使い勝手が悪い状況に陥っている様です。
 これは省令(国会の承認が不要)により細かく規定されたものであり、細かいニーズに対応するための対処なのかもしれませんが、かえって制度を使いづらくし、また、それにより事務コストが上がり、社会保障費削減にも逆効果なのではと思います。
 医療のみでなく、教育や社会インフラ等についても同様ですが、中央が何でも決める制度は改め、運用で各地域に任せた方が良く、つまり、中央集権の仕組みは制度疲労を起こしている状況ではと感じています。

 なお、医療の世界の話に戻すと、今後は、患者の状況を見極め、どの診療を受けるべきかのアドバイスを行ってくれる総合診療のニーズが高まるのではと思いますが、総合診療医はそれだけ知識が豊富でなければならず、中途半端な知識でアドバイスして責任を取らされるリスク等を考えると、成り手が少ないというのが現状の様です。当日も話がありましたが、雑誌やドラマで総合診療医をフューチャーして、その地位を高めるという動きも必要な様です。

 以上分野は様々ですが、それぞれ今の日本の抱える問題について考える良い機会でした。

 なお、医療・介護制度改革につきご興味のある方は東京財団主催(三原さん担当)の以下フォーラム(6/14)に参加されてはと思います。
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/sub1.php?id=398

posted by TK at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする